●公演終了日記 反対係、看守、それゆえに───翁(平田知大)

「歴史に文句言うなよ。ずーっと昔からこうなんだから」

「それならそれで猿が裁かれるのは問題ない!」

さあ、第27回公演『聖夜に2度目の鉄槌を』のチケットが発売です。
・・・ええっ! 俺まだ前の終了日記書いてない。ということで、振り返ってみましょう。
第26回公演『SLASH NUMBERS』
「展開を超えてこその超展開だ」
途中の台詞にもありますが、そんなお話を作ろうと思いました。
注目したのは、リアルなドラマからは最も遠く、それでいて日本人の心に確かに宿るお伽話。
楽しかったですねえ。
俳優たちにとっても、お客様たちにとっても、思い入れのある登場人物達。
あのお伽話の先には、裏には・・・という超展開な物語でした。

「昔々あるところにお爺さんとお婆さんがおりまして!」

「えっさほーいえっさほーいえっさほいさ!」

ストーリーを3つに分け、
最初のパートはひたすらおとなしく会議室。何がひたすらなのかは、観た人は分かりますね。
次のパートは踊りまわって刑務所。脱獄芝居って楽しいですよね。燃えます。
最後のパートは全力で超展開。SF? 宇宙船? はて、何のことやら(笑)
矢澤さんや西東君に泣いてもらって、小道具や衣装にも様々な仕掛けを施してもらいました。
気付いたお客様の多いこと多いこと。皆様よく見てるなあ・・・有り難うございます。

「さあ、勇気をもって開けてみよう」

「その通り。本物の玉手箱は、若さを保つのだ」

そして久しぶりに共演した寺嶋さん。旗揚げの頃を知る数少ない戦友ですね。
看守長と看守を務める刑務所パートは好き放題でした。そのうちまた出演してもらいましょう。
さらには初の主役を務めた中井君。
お客様の拍手に気を良くしたのか、再び東の都に旅立ってしまいました。
しょーがねえなあ(笑) 声優の夢を叶え、早くガンダムに乗ってくれ。
今作は初の映像芝居。
色んなシーンで映像がグルグルと動いて・・・時代だなあ。
今までも劇中にテロップ出したりはしてきましたが、こんな時代がやってきたんですねえ。
衣装とか百花繚乱にならんかな。こー、身体にプロジェクションマッピングで。
・・・冬場がえらい薄着になるかな。
なかなかにハードな演目でしたが、アンケートやらお手紙にたくさん書いて頂いたように、
再演したいですね。個人的にもまたやりたいなあ。

「やり直せよもう一度。チャンスは一度じゃ無いんだろ」

「うん。万に一つも勝ち目はないな」「ないな」

劇団を立ち上げて10年、すっかり時代はデジタルへ。
写真どころかメールも怪しかった携帯電話が、1人1台以上の時代へ。
純粋なデジタル世代が入団して来たりしています。
これが、時代の波か・・・。
と、言いながら。
アナログな、ひたすら稽古が必要な、古びた演劇を続けて行こうと思います。
それがきっと、新しい扉を開く・・・かも?
ということで、『SLASH NUMBERS』、お楽しみいただけたようで何よりです。
来月は金沢市民芸術村パフォーミングスクエアでお会いしましょう。
タイトルは、『聖夜に2度目の鉄槌を』。どうぞお楽しみに!

「その通り。だがな彦星君。一度でも約束を果たしたか」

───そうして七人はまた走り出す。