公演終了日記 トミーこと富井社長

第51回公演『SCENE』にご来場いただきありがとうございました!
立て続けの保育園公演も突破し、10月に入っていた出張公演も吹き飛び、10年ぶりぐらいに公演の無い秋に突入です。ということで、そろそろ『SCENE』を振り返ってみましょう。

4月に予定していた第50回公演の延期を決めたとき、とにかく延期先の日程を抑えようということで、この8月末を予約しました。そうなんです。そのときはまだ「8月には収まってるんじゃないかなあ。夏だし」なあんて、楽観的に思っていたのです。それどころか劇団員達と「延期になった『住めば都~』って真夏は暑すぎるぜ」「根性でコタツですか?」「笑うしかない」「笑うか」「わっはっはっは」ぐらいの軽口を叩いていたものです。
しかしながら…刻々と悪化する世界の状況、勿論羅針盤も例外ではなく、次々とお仕事も吹き飛び、同じような時期に公演を抱えていた舞台仲間さんと「そっちはどうする?」的な腹の探り合い…じゃなかった終わりの無い相談を行っていました。正解なんか誰も何も分からず、ただ、

演劇は不要不急である。

そんな宣告を受けたような気になっていました。お芝居はこのままひっそりと消えていくのか。とも。…あれ。このあたりは「コロナを超えて」で書いてたよ私!

仕切り直しまして。
里山の家は予約してある、だが普通の演劇をやるわけにはいかない。飛沫、換気、手洗い…待てよ。里山の家は窓だらけ隙間だらけついでに玄関脇にトイレまで…、

全部開け放って、手を洗ってもらって、
声も出さずにお芝居しようじゃないの!(やけくそ)

ということで企んだ飛沫のほぼ飛ばない演劇、いかがだったでしょうか。
タイトルは平田→川端→寺嶋のアイデアリレーで…ってこれは寺嶋さんの日記に書いてたよ! ラジオの19回目にも結構…(そ、そのうちこのホームページにもまとめますね!) 兎にも角にも、私を悩ませていたのは、

飛沫のほぼ飛ばない演劇って何だ。

(しばらく私と劇団員達との雑談です)飛沫出さないってコトは、勿論喋らない。声に出さない。口開けない。だけどその理由をコロナにするのは止めようウチらしくない。出来るだけアホな理由がいい。そして出来ればラストに納得できる理由なら最高だ。声に出せないなら行き先は水中かな。ヘルメット被ったら喋れるとか?じゃあクライマックスはいっそ宇宙にしよう。和室で宇宙なんて楽しいに違いない。でも最初から水中ってどうだろう。会社とか?あ、ホワイトボードがスクリーンになって台詞出るとか?というか会社で喋れないってあるかな?「なぜか」私語厳禁って言われてみるとか?なぜかは中盤で明かそう。今は思いつかないし。見切り発車ですか!声に出さない演劇なんて俺に経験値あると思うかゼロだゼロ。そもそも全部画面で台詞ってどうなんだろう?飽きちゃわない?じゃああの手この手で舞台に隠そう。スケッチブックとか?椅子の下とか?毎日の稽古は各自思いつき合戦だ。あとどうしても声を出したいときもあるよねえ。袖!というか別の部屋でドア閉めて叫ぶ!とか。いいねえ。ただやっぱりちょっと怖いから録音しておこう。だって羅針盤ラジオで機材揃ったもの!あとさ…お客様参加型は残そう。マジで?だって絶対今回はお客さんも油断してると思う。台詞言わされることは無いだろうって。あー、敵を騙すにはまず味方から的な?喩えおかしいけどまあそういうことだ。

そんなこんなで誕生した『SCENE』、というか『しーーーん』。あんなアホな話ですが、根っこは結構真面目で。コロナ自粛の中、劇団皆で受けたものも、私個人で受けたものも、お仕事というお仕事はことごとく吹き飛び、「仕事ってなんやねん」でした。お金を稼ぐため。家族と暮らすため。楽しく生きるため。…では無いかもしれない。お金を稼ぐ自分のため。家族と暮らす自分のため。楽しく生きる自分のため。シーンBに出てきた「自分を救うヒーローになるのだ」なんて台詞は、去年だったら書かなかったかもしれません。

そうそう。皆様に選んでいただいたシーンAとシーンBでは語られる内容が結構違います。実はどちらもサンダーが途中で選ばなかった選択肢の続きになっていました。
シーンA…「ニーナの秘密について」のお話。
シーンB…「誰のミイラ」のお話。

え? トミーの名前ですか? 最初は町田=マチルダから生まれたコードネームっぽい名前を考えようから生まれました。それがまさか…タイタニックの、ねえ? 偶然って恐ろしいですよトーマスさん。

さあ、次はかなざわリージョナルシアター2020“げきみる”でお目にかかりましょう!…タイトル長いな。でも本当に、皆様に劇場で会えて、元気になったのは私達の方です。ありがとうございました!

(日記当番 平田知大)