公演終了日記 福井沢そして店長

『芝居小屋羅針盤っ!~ちょっと夜遊び~』にご来場いただきありがとうございました。久しぶりの里山の家公演、お客様の顔を見ながら劇団は幸せだなあと感じておりました。お盆前に書いていたのにそのまま幸せにひたって忘れておりました。なんてこった。

さて、まずは再演の『石川を、口説く』から。
ステイホームになって、福井にも富山にも遊びに行きたいなあという思いで上演したのが去年の春。声を出さない演目『SCENE』など、対コロナ的な演目は収束したらどれも上演出来なくなるなあと笑っていたハズが…まだ出来るなと。幼い頃福井にいた私は当然福井沢役で。転勤族だった私に生まれ故郷は存在しませんが、もうすっかり北陸三県がふるさとです。
がしかし。覚えたはずの台詞が全然出てこない。たった1年前なのに。それどころか私と能沢君は“箱をどっちがどう回すのか”から検証してました。間違うと大変なことになっちゃいますものね。そして私の記憶は大体間違っておりました。大好きな作品であることと、覚えやすいことは全然一致しないのですよ。

『魔法少女続けました』
相変わらずタイトルありきで始まる羅針盤。どうしてこうなったのか記憶が曖昧ですが、雑談からタイトルが生まれた瞬間の稽古場は大爆笑でした。
魔法少女には一家言ある女性陣に色々アドバイスをもらいながら(皆本当にこだわりが多い!)、私が書くと若干ヒーロー寄りになるのはご愛嬌。作劇上の課題は「いかに魔法少女を見せないか」。見えないのに確かにそこにいる。それすらも魔法の力かもしれません。とても楽しい新作となりました。
そうそう、タイトルに惹かれたのかやけに元劇団員達が観に来てくれたり手伝ってくれたり。そして魔法少女論争が劇場でも続くのでした。

それにしても。私が劇団を留守にしてV Tuber的な仕事をしている間に、稽古場では次作の話題で盛り上がっていたようです。
「~~が……ってなって実は●▲■★って感じでどうですか!」
テンション高くキラキラとした目でこちらに迫ってくる劇団員達。実際に書くのは私なんだが。あと、続いてるのか前の話なのかどっちなんだ。「お任せします!」───任されました。

『石川を、口説く』の劇中で触れていたお店が先日閉店されたそうです。劇団初期メンバーで行ったお店ランキングきっと1位じゃなかったかなあ。長い間ありがとうございました。美味しい日々をいただきました。

(日記当番 平田知大)