公演延期シリーズ⑨(完)

「始まりましたね、羅針盤ラジオ」
「ふふふ、俺の出番もそのうち来るぜ」
「まだ質問募集中なんですよね?」
「もちろん。 #羅針盤に聞いてみたい でOK」
「何でもOK?」
「もちろん」
「新型コロナを終息させる方法」
「…それホントにうちに聞くの?」
「答えられないんですね」
「厳しすぎない?」
「…(いつの間にか80のキリ番を過ぎている)」
「ラジオのことばっか考えてるからですよ」
「…(お芝居したいなあ)」
「本当なら福井の高校で進路劇だったんですよね、先週」
「…(何もかもがギリギリだ)」
「心の声、全部ダダ漏れです」
「…(代表に優しさを)」
「え?」
「聞こえてよ」
「稽古場再開、いつになるんですか?」
「え? 俺に聞く?」
「先輩じゃないですか」
「演劇の先輩でも、医療の先輩じゃないんだ」
「目に見えないですもんねえ…」
「ラジオでも続けますか」
「でもって言わない!」
#羅針盤に聞いてみたい まだまだ募集ですよー」
「ですよー」

「川端さんの回、アップしましたー」
「助っ人がいると本当に助かる」
「お題のジャンルがあっちこっちですもんね」
「有り難いことにな。お題も募集だが答えも募集したいぐらいだ」
「演劇の未来とは」
「俺が聞きたいわ!」

「よーし、ついに稽古が再開されるぞ」
「どうして私が行けない日から始めるんですか」
「わざとじゃないよ!」
「ところでこの体勢は一体…?」
「演劇をやっていいのか、世界の流れを読んでいる」
「…読めました?」
「台本の行間読むより難しい…」
「世界の流れは読みきれないけれど、稽古場に集まってみた」
「どうでした?」
「まずハッキリしたのは…マスクしたまま刀を振ると大変なことになる」
「なるほど」
「そして武器を持っていると離れて暮らせる」
「ということは」
「日常生活に刀を取り入れれば…」
「強制的に隔離される」
「そう」
「ということで、MRO北陸放送さんに取材して頂きました。観て頂いた皆様ありがとう!」
「たくさん喋ってましたね」
「改めて考える機会になるよね。これからの演劇とは的な」
「“企む”って言ってましたよね」
「つい調子よく表現が大きくなるのは…俳優だから?」
「平田さんだから」
「それだ」

「あれ、公演延期シリーズってまだ…?」
「最後よ」
「は?」
「延期前に撮った写真はこれで最後。88枚目」
「おお、つまり新作公演やるからここで完結か!」
「どうかしら」
「え?」

「できるかも公演よ」
「できるの?できないの?」
「願って叫ぶの」
「え……できろっ!!」
「よくできました」