●公演終了日記 音響サブ、文字パネル担当(長田ひかる)

お芝居に“音”で出演です。

そしてこの文章たちは、

私が担当してたのです。

先日は「NOT A」にご来場ありがとうございました!
音響をしていた長田です。
キャストの二人が闘っていた時に「キン」とか「カチャン」とか「バン」とかって音を出してた長田です。
ところどころタイミングずれてたり違う音が出ていたみたいですが面白い話だったから結果オーライです★
音響は(照明もですが私が今回音響してたので音響のお話します)暗いところで鳴らしています。
役者の動きに合わせてなぐる、けるの音を出したり。
場面場面ではちょっとした効果音を入れたりします。
台本にここで鳴らすぞっていう所にメモを書いたりしますが見えてなかったりして変な音を出してしまったり。
なんて言うと違う音が出てしまったって言ってたのが言い訳みたいになっちゃいますね;
もう本当吉村さんとか宮向さんとかすごい…コーヒー出します…。
ともかく暗いところでやっています。
光りの当たらない、目立たない場所でやっています。
けれど大きな音が出てるので役者の動きと違う所で音が鳴っちゃうとそれはそれは悪目立ちがするのです。
それだけ聞くと「大変そうだな」とかって思われそうですけどニヤッとしちゃう場面もあるのです。
「ここだ!」という絶妙なタイミングで音が合うと世界がちかちかするんです。
これ表現伝わるのか分かりませんが。
あと最高に気持ちが良い!
思わず吉村さんに報告しちゃったところも。
「今日はここが出来て…!」「ああそう、良かったんじゃない」「へへ…^б^」
音響は今回だけじゃなくて前にもしたことがあるのですが最初のうちは緊張の方が大きくて楽しむ余裕なんて無かったように思います。
ここでこの音をちゃんと出さなきゃ! という気持ちの方が強かったかな。
いや、毎回緊張はしてるんですよ!
そんな中でも段々言われてない所も入れてみたりとかこれ押してみたらどうなるんだろうとかって思って押してみたりとか。
結果吉村さんに「いらない」とか「これこっちで押すから」とか言われたりしたものもあるんですけど。
でも落ち着けて押せてたんじゃないかなと思います。
最後に音響を任せてくれた皆さんに感謝です!
……実は言いそびれていたのですが今回の舞台を最後に私、長田ひかるは劇団羅針盤を卒業致します。
日記での発表になっちゃいましてすみません。
ツイッターでも呟こうかと思っていたのですがタイミングを見失ってしまいました;
あまり目立ったことはしていないのでそのままいなくなってもそんなもんかもしれないんですけど。
そんな私でも羅針盤にいたこの4年間は楽しかったです!
アホの申し子でめちゃくちゃ周りの人たちの足を引っ張ったり迷惑掛けたりしておりましたが;
ここはすごくあたたかくてすごく居心地が良かったのです。

『チョコレートギャング』ではココアを。

『ハミガキ大好き』では黄バイキンを。

『ナゼナーニ』ではホシガールを。

初めて羅針盤の舞台を見たのは高校生の時でした。
「PEACH-f(x)」だったかなあと。
「イグザクト」のチラシを見て羅針盤を知り、その時チケット代がなくてバイトして次回見ようってなったような気がします。
バイト駄目な学校だったんですけどね(笑)
顧問の先生から教えてもらったんでとりあえず一回見てみようかなあなんて軽い気持ちで。
あの時の顧問の先生があれからずっと母校に最近までいらっしゃったものだからすごい声を掛けたかったなあ。
今は変わってるみたいですけれど。
で見たとき単純な私はきらきらした世界に見えました。
そして演劇を続けていきたいなという思いが出来ました。
その後も何回か見に来て高校を卒業した後も演劇をしていこうと思いました。
短大生になった時は演劇サークルなんてなかったものですから自分で片っ端から演劇したい人に連絡して劇団を起ち上げたこともありました。
ただ学生の身だったので一回きりの公演で終わってしまいました。
それでも諦めきれなくて東京に出たこともありました。
少し苦い思いをしました。
東京の荒波に押し潰され夜逃げをして石川に帰って来ました。
もう演劇はしばらくしないと思いました。
でも嫌いにはなれなかった私はアルバイトをいくつかしながらいつかまた演劇の世界に触れてみたいなと思ってスマホを手にしました。
そういえば高校生の時に見に行った劇団あったなあ。
大分前のことでしたから名前は忘れていました。
適当に「石川県 演劇」とかで検索してたと思います。
沢山の劇団の名前が出てきました。
驚きました。
私が知らないだけでこんなにも沢山の劇団があって沢山の舞台公演をしていたり仕事をしているところもあるなんて。
そしてすぐに見付かりました。
「劇団羅針盤」

初舞台の『FINAL』から4年。

スタッフもたくさんやりました。

安心感と高揚感が私の中を駆け巡りました。
その後は逸る気持ちを抑えてメールを送っていました。
親には事後報告だったような気がします(笑)あ、これ気持ち抑えられてないやつ。
こうして私は晴れて入団した訳ですが…最初は苦しかったです。
今でもそうなのかもしれませんが私は何かしらの団体に対してすぐに心が開けませんでした。
自分からもう一度演劇をやりたいと思ったのに誰かが話していると被って見える違う人の顔。
思い出してしまうプレッシャー。
普通に話すことは出来るのに稽古場の中だと何を話せば良いのか思考がショートしかけることなんて多々ありました。
演劇に関係する人たちが怖かったのです。
外に出れば普通に話せるのに、どうして、この人たちはあの人たちとは違うのに。
何度も怒られました。
俺たちと喋りたくないのかとも言われたことがありました。
大勢で集まる打ち上げの場も苦手でした。
切なくなってやっぱり演劇は諦めた方がいいのかなと何度もそんな考えが頭を過ぎりました。
そんな私にそれぞれ思うことはあったかもしれません。
けれどクビ宣言はされませんでした。
まだいても大丈夫なのかな、もう少しいてみよう、としているうちに段々気付きました。
この人たちはちゃんと「私」を見てくれているのかなと。
いつからか私の中の苦しい感じが軽くなっていきました。
居心地が良くなって気が付けば私はそこにいました。
ちゃんと胸を張って「私は劇団羅針盤の長田ひかるです」と言えるようになりました。

そういえばこんなことも。

ラスト出演はこども園さんでホシガール。

私は劇団羅針盤が大好きです。
この劇団が私にいろんなきっかけをくれました。
夢を何度も見せてくれました。
私に演劇を好きのままでいさせてくれました。
厳しく優しく接してくれました。
大袈裟かもしれませんが私の人生を変えてくれました。
だから私は劇団羅針盤の長田ひかるになったのです。
これはそんな普通のどこにでもいるようなただの演劇好きの一人の物語に過ぎません。
私はこれにてこの地を離れます。
次に向かうは九州が長崎。
そこではどんな出会いが待っているのやら。
劇団羅針盤の皆さん、見に来てくださった皆さん、今までありがとうございました!
また来ますね!
行ってきます。
(日記当番 長田ひかる)

昨日は新年会&送別会!

最後は泣いてしまいました…。