●第36回公演『芝居小屋羅針盤っ! ~三の段・夏の陣~』

『むかしむかしあるところに』
出演:
─物語─
読まない読まない。今どき昔話なんて読まないよ。だけど、
「お願いがあるでござる」
本の中から出てきたのは、桃太郎?
「家来が集まらないのでござる!」
家来? 家来って・・・犬と猿と雉?
「きびだんご一つで命は懸けられぬと……」
そりゃそうだ。いいじゃない鬼ヶ島なんて行かなくったって。
「そうはいかぬでござる」
危ないところには行かない。先生に教わらなかった?
「こちらから倒しに行かぬと……来るのでござる」
何が?
「……奴らが」
ズゥゥゥゥン! ままままさか!
「嘘などではない。もはや戦うしかない!」
頼りにならない犬猿雉を連れ、桃太郎とあたしは鬼と対決するのだ。嘘って言って!

『サンブンノゴ』
出演:
─物語─
父が死んだ。優しく、厳しく、そして破天荒な人だった。
あれから一年。久しぶりに兄弟は顔を揃えた。
懐かしい思い出は少し美化されながら、父の思い出はまだ生きていた。
「それでは、遺言状を開封します」
ちょっぴり、いやかなり予想外な内容は、まさに破天荒な父そのものだった。
「こんなのどうやって分けろってんだ」
「○○○って何だよ!」
「…さあ?」
あれから一年。父の言葉は、まだ生きていたのだ。……あの、くそ親父っ!

『白玉は三つまで』
出演:
─物語─
「お待ちしてました!」
バスツアーが到着した老舗旅館。
ひさしぶりのお客にテンション上がりっぱなしの女将と仲居。
倒産が決まったこの旅館にお客?
バスの故障で、たまたまここに助けを求めただけなのだ。
「ここを、本当の宿泊先にする!」
旅館の人々と、そしてバスガイドの思惑が一致したとき、
お客を帰さないようにする一大ミッションが始まる。
ところでお椀が本当に五十人分あったら──どうする?