●公演終了日記 語り・宇津木・歯医者さん(平田知大)

『グッド・バイ』語り手その1

『会議は踊る~』 刑事・宇津木

『芝居小屋羅針盤っ!~三の段・秋の陣~』にご来場頂き有り難うございます。そして恐ろしいことに気づいてしまいました。前々作『チョコレート・ギャング』、私だけ終了日記書いていない…。前作『夏の陣』ですか? 川端君だけは書いていたんです。残りのクルーは私も含めて反省です。何とか! 今年中には全て振り返りたいと思っております。リ、リージョナルシアターもあるから、ねえ?
さて。
今回はゲストが2人。かつて“たらんちゅらん”や“コナモン”として出演してくれていた富田沙樹さん、劇団不完全燃焼から井村友紀君。大学の夏休み限定で金沢に帰ってきてくれました。なんて良い奴らなんだ。
朗読劇『グッド・バイ』
数年前、金沢ナイトミュージアムに出品した演目を久しぶりに読んでみました。ちなみに初演は金沢ふるさと偉人館にて。客席には和田くん・山本さん・富田さん・増村さんがいたそうな。当時高校生!
文豪太宰治によって書かれたのは1948年。絶世の美女、ただし鴉声と怪力のキヌ子に振り回され、全く思い通りにいかずに七転八倒する田島。人間て全っ然変わってないなあ。それが、良いのでしょう。
舞台劇『会議は踊る、活字は吠える』
もともとこの台本は22歳ごろに書き始めました(18年も前だと…!)。そして序盤だけで煮詰まって書かなくなったものを、いっちょ完成させてみるかと思ったわけです。が、そうです。煮詰まった台本には煮詰まっただけの理由があるんです。7人の登場人物達が複雑に絡み合って絡み合って今一体どうなってんねん!と自分の脳内に罵声を浴びせていた8月下旬、
「あの、僕、秋の陣出たいです」
急に何だむらお!(注:井村君)ずっと誘ってたのに今さら返事しやがって!(全員笑顔)
8人に増えた結果さらに複雑怪奇に絡み合い、こりゃあもうギリギリだなあと思った矢先、
「お料理探偵クックルン♪」
誰だ稽古場で変なこと言いだしたのは…いや、待てよ。なんて沙樹にぴったりな! 気が付けばあれよあれよと書き上がり、稽古場では各人がアドリブぶっこんでくるせいで皆半笑いで稽古をし、本番2日前に4回通すと1時間15分だった話が何故か40分になるという時空超越が発生し、とっても楽しい作品となった次第です。あ、セルフ暗転中に能沢君が鴨居に頭をぶつけました。夏の陣に続いて2作連続です。

『ハミガキ~』歯医者さん

「落ち込まないでください宇津木さん!」

『ハミガキ大好き・ぶらっしゅ!』
元々は、金沢や能登の保育園で上演していたのが始まりです。
初演は8年ぐらい前。もっとも、赤ずきんなんて出てこないしオオカミ君もやってこないし、ムシバイキンの変なダンスなんかも無いんです。10分ちょっとの短いお話だったのが、上演の度に少しずつ、大きく膨らんでいるんですね。そうそう、ムシバイキンの誰かが稽古を休むと、川端君がやけに楽しそうに代役してました。次回はきっと紫バイキンも追加されるのでしょう。司会のお姉さん→赤ずきんちゃん→オオカミくん→ムシバイキン登場!という流れのお話ですが、ムシバイキンはもちろんとして、オオカミくんでもちびっ子たちは泣くんだろうなあとワクワクしていました。が!まさかの赤ずきん登場で子供の泣き声!赤ずきん役の沙樹が動揺する中、ケコ(赤い衝立)の裏の出演者達は無音で爆笑してました。ちびっこ相手のお芝居がやめられない瞬間ですね。ちびっ子たちに配られた羅針盤チョコ。俺も欲しいなあ。
とまあ、3作品を振り返ってみました。芝居小屋シリーズもこれで通算5回、上演作品は17作。勝手知ったる里山の家にて、冬の陣もお待ちしております。の前に、リージョナルシアター、の前に、『ビブリオバトル!』ですよっ!
平田知大