公演終了日記 オジサンそして作・演出

しばい×ごはん 『コロナを越えて君を待つ』にご来場いただき誠にありがとうございました!
皆様と乾杯、そしていただきますが出来て幸せな時間でした。

良いですね。食べながらのお芝居。
初日は私も序盤にしっかり食べ過ぎて、「あれ、本編始まらないな」と思っていたら寺嶋さんから「オープニングまだ終わってませんよ」……あ! 私か! 私が台詞言わないからイザベルパートが終わってないんだ! ご、ごめんなさい…。「小松君どうして音鳴らさないんだろう」とか思ってました。もう夢中でモグモグしてたからですね。お料理が美味しくて皆様とのお喋りが楽しくて。

元々は婚活パーティとして企画されたこのしばい×ごはん。
寺嶋さんも書いてますが、私の知らないところで話はガンガン進んでおりました。ええ、羅針盤では通常運転です。
各自の恋愛エピソードを教えてもらったり、書斎に増える婚活関係の本に「なんでいや」と突っ込んでみたり、雪の中ひたすら台本を書いておりました。そして稽古場であーでもないこーでもないと作っておりました。

お客様からの問い合わせ「既婚だけど参加していいですか?」。いいです!勿論OKです!全ては楽しいフィクションです!

しかしながら。ご期待に添えず誠に申し訳ありません。いつの日か必ずや!ですね。稽古場で生まれたキャラクター達に帰ってきてもらいましょう。……イザベルさんはどっかで見たな。

さて。演目変更にあたり一番頭を悩ませたのは…「お客様参加のS席をどうする?」でした。『コロナを越えてか~』には参加ゾーンはありません。だって2021年の上演だったんだもの。

無ければ作る。

とにかく日が無いのでひたすら通し稽古をしながら突然「ここでお客様に台詞渡したい! ○○○○的な」。いきなり言われた劇団員達は必死にメモってくれました。

そして迎えた公演初日。感慨深い瞬間です。
かつてこの演目は金沢市立泉野図書館さんから「コロナを振り返る劇を」と依頼されて生まれました。2021年の上演でした。そう、あのときの客席はマスクをし、遠く離れていたのです。それがようやく。

皆様、おかえりなさい。

アンケートにいくつも書かれた「初演時はコロナで観に行けなかった」。福井や富山から、勿論石川のお客様からも。それだけで、この演目をやって本当に良かったと思います。

演劇は、お客様に劇場へ足を運んでもらわなければならない。

目の前で繰り広げるからこそ、楽しい瞬間の連続なのです。お客様にお願いした台詞達が、あんな楽しいことになるなんて。
帰りのお客様にも聞かれましたが、ステイホーム研究会のパートはずっとアドリブです。稽古場で全く想定していなかった言葉達がお客様から飛び出してくる。最高に楽しかったです。

稽古場には元劇団員をはじめ縁の深い仲間達がたくさん助けに来てくれました。個性豊かなお客様役として。これもコロナ禍では難しかったんだなあ。まあ、本番のお客様はさらに個性豊かだった気もしますが。皆様、いえ私達も混ぜてください。俺達頑張って越えましたよね!

そうそう、公演の3日後に宮崎さんから
「早く台詞が喋りたいです」
……それはもう禁断症状だよ。ナニカの。

といったあたりで宴もたけなわではございますが…ごちそうさまでした!

(日記当番 平田知大)