●公演終了日記 顕聖二郎真君(田中麻衣子)

かつて天に並ぶもの無きと謳われた英雄は、

帝釈天の配下となっていた。

『天に並ぶもの無き英雄』顕聖二郎真君
西遊記の公演終了からもう2週間。
稽古の日々も、公演の3日間も、何度思い返しても夢のようです。
昨年見た西遊記があまりに凄くて!
あの平田さん、矢澤さん、風香ちゃん、さらに剣劇7に出ていたイケメン三人と同じ舞台に立てる…?!
なんかもう良く分からない状態で始まり、終わっていきました。笑
そのくらい“ありえない”驚きの出来事だったのです。
私が頂いた二郎真君という役は、とても強くて、美しくて、誇り高い人。
まさに私の理想像です。
私は幸運にも、求めるものに追いつけるチャンスを頂いた!
と、俄然やる気に満ちました。(と、同時にものすごいプレッシャーも。笑)

天竺を目の前にした一行に、

越えられぬ壁となって現れた二郎真君。

そして、たくさんの想いを抱えていました。
憧れの皆さんと同じ舞台に立てるんだから、精一杯やりたい!
選んでいただいた期待に応えたい!
お客様の中にはカンフーを初めて見る方もいるだろうから、そういう方達を魅了したい!
カンフーを心から愛し、人生を注いできた先生方の想いを多くの人に伝えたい!
この機会を与えて下さり、いつも熱心にご指導してくださる志波先生に少しでも恩返ししたい!
(“欲深い~”と言わないでくださいね!笑)
でも、自分の理想にはなかなか届かず、
悔しくて、自分に腹が立って、年甲斐もなく稽古の合間に泣いたりもしました。
実力を思い知らされ、身のやり場がないほど悔しくて、空中分解したくなるほどでしたよ…。苦笑
でも、やるしか選択肢はない!
どれだけ叶うか分からなくても、理想に追いつこうとする、そんな自分で在りたい。
そんな人生が万歳だ!そう思って練習を重ねました。
でも、こんな風に思えたのは、温かく見守ってくださった劇団の皆さん、関係者の皆さん、そしてずっと私のことを気にかけ、励まし続けてくださった志波先生のお陰です。

流麗なその体捌きは、

猿豚河童の三畜生を相手に一歩も譲らず。

さて、この二郎真君様!!!
何もかも素敵すぎました…。
キャラ設定はもちろん、紫というイメージカラー、衣装、髪型。
全て私の好みど真ん中です。
そして、二郎真君といえば、あの登場シーン!!!!!!
私にとって、あんなに痺れる登場シーンは空前絶後!!!やばいです、最強です。
それにしてもこの西遊記、胸キュンポイントがあまりに多かったですね…!
パンフレットのデザイン、写真、衣装、髪型、舞台、音楽、照明、
何もかも、かっこよすぎました。
何度観ても必ず笑ってしまうシーンや、お気に入りの場面、何度観ても『うわ、かっけええええええ』と感嘆する場面がたくさんあるんですよ!
私の実況中継入りでDVDを発売して欲しいほどです。
しんどかったけど、やっぱり“夢のようだった”と表現するのが相応しい気がします。
舞台袖から颯爽と駆け出していく皆さんの後ろ姿、
お客さんの笑い声、
舞台に立った瞬間の光景、
忘れられません。

玉竜すらも倒した彼女には、

懐かしき記憶は既に無く。

平田さん、矢澤さん、風香ちゃん、たいせー君、和真君、のんきー君と共演できた事、
先生と舞台に立てた事、
寺嶋さんの温かい励ましとサポートを頂けた事、
長田さんの頑張りを間近で見られた事、
吉村さん、宮向さんのプロフェッショナルを体感できた事、
城戸さんに写真を取って頂き、北口さん手掛けるパンフレットに名を連ねられた事、
お手伝いに来てくださった皆さんに出会えた事、
心から幸せに思います。
替え難い宝物です。
そして応援してくださった皆さん、私の大好きな皆さん、本当にありがとうございます。
強く、美しく、誇り高く、圧倒的な存在になれるよう、泣いたり、笑ったりしながら、私はこれからも二郎真君と共に生きていきます!!!
(日記当番 総合カンフークラブ武練隊 田中麻衣子)

決死の覚悟で挑んだ八戒と悟浄に、

その英雄は「見事」と、ただそれだけを告げて消えたのだ。