掘ってー、掘ってー、また掘ってぇー!
地面の下に響き渡るヤケクソなかけ声。ツルハシ持って、スコップ持って、人々は今日も必死に穴を掘る。
「モグラ」  借金が返せず強制労働させられている登場人物達。
   友達の借金を肩代わりした男 「テツ」
   惚れたホストに貢ぎすぎた女 「ギン」
   怪しすぎる事業で失敗した男 「コウ」
   女の秘密に気付いてしまう女 「コガネ」
理由はどうであれ、全員借金に苦しんでいるらしい。いや、本当の苦しみはお金なんかじゃないのだが。
現場監督の看守親方13号 「ナマリ」 にこき使われ、看守長のサド女 「ザクロ」 に朝から晩までいじめられ、
地面の下のモグラたちは一つの決意をしていた。
「脱走」
親方13号の目を盗み、看守長サド女をやり過ごし、こっそり掘り続けている「秘密の抜け穴」。
その完成間近、
ガキィィン!
ツルハシが何かに当たった! やった、お宝発見かっ!
汗にまみれ泥にまみれ、真っ暗な地の底でテツがついに掘り当てたのは・・・・・・・・・・・・・女?
この物語は
何故か掘り出されてしまった女 「ホタル」 と、お日様もお月様も見えないモグラ達の
七転八倒踏んだり蹴ったり一生懸命なお話。