● 公演終了日記 「ゲン」 平田知大

第十一回公演『イグザクト』にご来場いただきありがとうございました。
再演、いかがでしたでしょうか?
思えば再演の企画が持ち上がったのが07年の5月。
うっかり復帰を口にした春海圭佑に
「実は、再演リクエストがトップなんだけど」と焚きつけたのが始まりでした。
1.「当時の台本を引っ張り出してきて、上演台本を構成する」
羅針盤の芝居は稽古場や劇場でどんどん変わっていきます。
ということは、俳優やスタッフに配った台本はあっという間にニセモノになっていくのです。
手書きで様々に書き込まれた台本をパソコンに入力・・・めんどくさ(笑)
台本のト書きに「以下アドリブ」、などという指示を見つけては「私ってひどいなあ」と反省しました。
そして、他のページに「以下アドリブ」って書き足しました。
2.「キャストを増やして再構成する」
初演時には掘り下げられなかったサクラを中心に、登場人物を増やしました。
ここでアイツが出てきてコイツが退場して・・・頭がこんがらがるのはいつものことですね。
途中でアイツどこ行った?ってなったりします。もしくはいるはずなのに台詞がないとか。
3.「増やしたキャラクターの名前が思いつかない」
お気づきのお客様もおられましたが、今回のパンフレットの表紙(チラシやポスターも)には
ネタバレが入っています。
劇中で人狼に襲われるキャラクターの花札は切り裂かれているんですね。すでに(笑)。
生き残るキャラクターと可哀相なキャラクターが最初に分かっているという禁断のデザインですね。
で、その花札に合わせて名前を・・・って悩んだ割には単純になってしまいました。
まあ、そういうこともあります。
ちなみに、「シン→新月」「ゲン→下弦の月」「カヅキ→三日月」「イザヨイ→十六夜」
人狼と深い関わりを持つ人間には月の名を、それ以外には花札の名を、ってことになっています。
アンケートに「イザヨイが十六夜なのは、満月の悲劇を乗り越えたからですね」というのがありまして・・・
いやもー、そこまで分析されると私の台本は丸裸ですね。多分俳優陣も気付いてないのに。
4.「初演の音源が使えない!」
これはかなりの衝撃でした。
クライマックスのピアノ曲「最期の華」を初演版で流そうとすると・・・合わないんですね。
いやー、月日が経つのは恐ろしい。作曲者も金沢にいないし。
で、momoholicさんのピアニストさんにお願いして、
初演の音源から譜面を起こして弾き直してももらったんですね。
苦労の果てに上がってきた音に即リテイクを出した私・・・。でも、決定版はとても良い出来でした。
momoholicさん、ありがとうございました! (Click!)
5.「舞台が狭い」
舞台セットは初演時とほぼ変わっていません。でも、登場人物は増えた。
ということは・・・狭いんです。全員出てくると。まあ実際、
稽古していたのは2月なので、全員で絡まったシーンの稽古は温かいんですけど。人肌で(笑)。
四方から登退場するこの作品は、舞台監督ノートがエライことになっています。
人物の移動方向を矢印で書いてあるんですが・・・何ページあんねんって感じですね。
便宜上、4つのトンネルを「12時・3時・6時・9時」と呼んで稽古してました。
立ち位置の指示も「1時半」とかね。
6.「権藤組について」
第十回公演『空ニ浮カブ星ノ名ハ三日月』に登場していた権藤組。いや権藤ファミリー。
勢い余って登場してしまったわけですが・・・あの曲ですね。
本番前日?二日前?にvelliusさんから上がってきまして・・・物凄く演出が変わりました。
いやー、突貫工事でしたね。あのシーンだけ異常な稽古量になってました。当日でも。
私の発注があまりにも遅すぎたのが・・・velliusさん、ありがとうございました! (Click!)
ただ、あのシーンのもっさん(岡本真吾)は誰よりも輝いていました(笑)
ちなみに歌唱指導?は春海圭佑です。あと咲床子もかな。ノリノリの現場でした。
とまあ、長々と書き連ねてまいりましたが、そんなところで私の与太話もお終いです。
第十一回公演『イグザクト』、たくさんのご来場ありがとうございました。
これからも走り続ける劇団羅針盤を、よろしくお願いいたします!
追記:
あ、そういえば劇団羅針盤は5年目に突入です。
次回はPEACH-f(x)、PEACHを言い出したのは春海圭佑、f(x)を付け足したのは岡本真吾、
いったいどんな話になるやら・・・。乞うご期待!