公演終了日記 園長&男

ホントゲキにご来場いただき誠にありがとうございました。
いやあ…大変でした。本番は勿論楽しく最高な時間でしたが、

──本を題材に演劇を作るには、まず本を読まなければならない──

絵本が11冊、小説が9冊。
精読出来たかと問われると若干怪しいものもありますが、とにかく読み倒しました。いつの間にか失っていた若き日の速読力を渇望しながら、自宅でも喫茶店でも車の中でも本の虫。ただでさえ飲み過ぎな珈琲がさらに増える始末。でも、とっても幸せな時間でした。

『絵本のビブリオバトル』
ここ数年、絵本を読み聞かせることが増えています。ちびっこ達にウケの良かった絵本達をメモしておいて本当に良かった。Twitterって便利。

我が子に本を読み聞かせてみたいパパが、こだわりすぎて本が選べないんだ!というこのお話。紹介したい絵本が多すぎて、25分予定の台本が35分を超え泣く泣く削る始末。世の中には素敵な絵本が無限にあるのです。近くの子どもに読み聞かせても楽しい、大人だけで読んでも実はかなり楽しい、絵本バンザイ。

『最期のビブリオバトル』
登場した小説は全て、2018年の『叫べ!ビブリオバトル』にてお客様からオススメしていただいた本達です。ようやく活用することが出来ました。当時の皆様、本当にありがとうございます&本当に本当にお待たせしました!

死神に出会ってしまった男が人生を振り返りながら1冊を選ぼうとするこのお話。お客様から選んでもらった本達でそんな都合良くストーリーが出来るわけ……出来ました。
少年時代の本。
青年時代の本。
いつか孫が出来たら読もうと思っていた本。
娘にオススメされた本。
祖父から受け継いだ本。
妻の好きな本。
息子を知るために読んだ本。
死を意識して特別になった本。
夫婦で夢中になった本。
嘘みたいに繋がっていく本達に、「お客様たち天才か!」と呟きながら書きました。

そうそう、両作品とも登場した本達を手に持って演技をしていますが、新型コロナの感染対策のため劇団用の本と終演後にお客様が借りられる図書館の本は別になっておりました。ということはつまり…本屋さんでたくさん買いました。素晴らしい。そして私の書斎はこれまで以上に本の海になりました。

ともあれ2作品なホントゲキ。いかがだったでしょうか。
本と演劇が、これまで以上に近くなったなら幸せです。図書館で読んだり借りたりも良し、本屋さんで買うも良し、皆様が素敵な本に巡り会えることを願っております。勿論、さらに演劇の楽しさに目覚めていただければ最高です。

そして最後に。細やかな感染対策を始め、今公演を共に創ってくだった金沢市立泉野図書館の皆様に、心からの感謝を。

(日記当番 平田知大)