「ようこそ北国さん、やっと登場ね」
「やっと登場です」
「ごめんなさいね、代表達のシーンが長くて」
「めっちゃ待ってました」
「大体だけど、通し稽古の時系列順に並んでるからねこの写真。“住めば都”の」
「へー」
「ひと言で返された…僕と代表がここまでどれだけ必死にでっち上げ…もとい! 進めてきたか!」
「へー」
「2人揃って返事が雑!」
「代表は?」
「まだ倒れてます」
「本当なら今週本番だったもんねえ」
「あたし本当なら初舞台だったんです」
「せっかく入団してくれたのに…どうする平っつあん」
「まだ倒れてます」
「延期公演、いつになるんですかね?」
「うーん、一応候補日あるんだけど」
「え?」
「あ、私聞きました」
「はい?」
「でもまだ世の中がどうなるか分からないから言えないんだ」
「なるほどなるほど…いや俺には言ってくださいよ」
「言えないんですね」
「言えよお!」
「あ、代表ちょうど良かった」
「ねえ、何だか俺気を失ってたみたいなんだけど」
「それは衝撃波くらったから、いやそんなことより」
「不穏な言葉が気になるけど、何?」
「いや大変なんですよ、さっきですね」
「延期公演、私は知っている。ふふふふふ」
「え? ちょっと、リゲルであんなに語り合ったじゃないか」
「ふふふふふふふ」
「…消えた!」
「ってことがあったんですよ」
「なんだそんなことか」
「そんなことかって」
「いいか、この劇団は秘密が多い。NOT Aだってそうだろ?」
「知らないところでタイトル決まってました」
「俺もだ。そして俺は謎のタイトルに合わせて台本書いた」
「それでいいんですか…って何ですかその赤いの」
「でっかいバズーカ」
「嘘つけや!」
「馬鹿野郎、これだけ武器がたくさんある劇団にバズーカの1つや2つ無くてどうする」
「そう…ですねとでも言うと思ったか!」
「でも考えてみてよ」
「矢澤さんみたいな説得やめてください」
「もし金沢にゾンビの集団が襲ってきたら?」
「稽古場目指します」
「あたしの小道具で遊ばないでください」
「怒られたぞ能沢くん」
「さ、稽古稽古」
「オイずるいぞ」
「大人なんですから落ち着いてくださいね」
「はい先生」
「と見せかけて隙あり!」
「そうそう当たるものではない!」
「ちっ!」
「なんと!」
「これが!」
「50枚目!!」