
「急にマジメな話してますね」
「まあ、たまにはいいだろうよ」
「ってアナタ突然こっち戻らないでくださいよ」
「舞台上なら高速移動が可能だ。俳優だからな」
「延期だって言ってんでしょ!」

「延期のお知らせ頑張ったけど、全員に届いたと思う?」
「えへへ、思わない」
「チラシしか見てないお客様とか」
「それですー」
「じゃあ当日?」
「劇場スタンバイかもー」
「楽しそうね」
「だって万が一お客様が来たらめっちゃ離れたところからごめんなさーい!って考えたらこんな顔になるだよ」

「劇場スタンバイか…」
「やるんですか?」
「一応、許可は取ってある」
「ついさっき石川県に緊急事態宣言出ましたけど」
「…変化のスピードについて行けないぜ」
「変化というかただただ悪化…てかまた同じ写真ですか」
「よく見ろ。今度は目をつむっているんだ」
「現実を直視しなさいよ代表」


「写真がいっぱいあるからよ!!!!!」
「…マジで?」
「いっぱいあるからよ!!!!!」


「そう! だってこのペースでも4月中に終わるか分からないもの!」
「奥にいる代表泣きそうですけど」
「あれはネタ切れの顔よ!」

「まさかこの企画が、こんなにもゴールが見えないものだったなんて…春になってもこの格好だなんて」
